先日、サンバイオの増資はヘリオスと同じ道をたどるのかという記事で以下のコメントをいただきました。

    • はじめまして、イーレックス推しているころから見ていました。
      私もサンバイオマンになろうか迷っているのですが、アキュセラショックが気になります。
      アキュセラショックでも、同じように1/2aで良好な結果にもかかわらず治験で失敗しており、こういう場合を考えると1/2aは当てになるわけではないため成功率は70%くらいに感じます。
      このあたりどう捉えていますか??成功率など

この辺は私もサンバイオに投資する前に気になったので結構調べたつもりです。
例によって合っているか間違っているかはわかりませんので参考程度にしてください。

そもそもアキュセラショックとは何だったのか。

簡単に書かせてもらいますと……
アキュセラは2002年に米国で創業、2014年2月に東証マザーズへ上場。
地図状萎縮を伴うドライ型加齢黄斑変性の治療薬(エミクススタト塩酸塩)の開発を進めていました。
加齢黄斑変性は放っておくと失明にも至る重病です。
加齢黄斑変性にはドライ型とウェット型がありウェット型についてはリジェネロンがアイリーアという抗VEGF薬を上市させ莫大な利益を得ていました。(リジェネロンの株価はアイリーア上市前の20倍に!)
アイリーアは視力低下の原因である異常血管の瘤を小さくする働きがあります。
効果はほぼ100%ですが1~3か月に1度の頻度で眼球注射を行う必要があり患者の負担は大きかったのです。
ドライ型に至っては治療薬すら存在しませんでした。
エミクススタトはその治療薬のないドライ型で開発を進めており眼球注射ではなく経口薬「飲むサングラス」として非常に注目を集めていました。
しかもエミクススタトはウェット型にも効くんじゃないかという話も。。。
もし、効くなら誰もわざわざ目に注射なんてしたくないからアイリーアからエミクススタトに鞍替えする。そうなったら売上1兆円も夢じゃないぞと。
さらに夢の扉+で取り上げられたりSBIの北尾社長が褒め称えたりで株価はどんどん上がっていきました。
ところがエミクススタトはP2b/3でプラセボ群と比較し有意差なしというトップラインデータが発表されてしまいます。
またトップラインデータ発表前に絶好調だった株価が謎の急落を見せたためインサイダーまで疑われる始末です。ってか普通にインサ(ry
その結果、株価は6連続ストップ安となり多くのアキュセラマンを殺し尽くし、その後しばらくしてから上場廃止。
今は窪田製薬ホールディングスとして復活?しました。

なんかデジャブかっていうくらいサンバイオと似てますね。
米で創業、日本で上場、テレビに出演、売上兆円、世界初の新薬、パイプラインは一つ、たった一つに全てを賭ける一本足打法。(ラップ)

これだけ似ているとサンバイオのSB623もヤバいんじゃないかとなるのは当然です。

そこでサンバイオのSB623とアキュセラのエミクススタトを比較してみようと思います。

参考
窪田社長のブログ

P2aの論文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4452434/


・エミクススタトのP2aでは有意差を出せていない
社長のブログではかなり良い風に書かれていますがP2aで統計的有意差を出せていません。
サンバイオのSB623は18人という少人数でありながら有意差p<0.001を出しています。
エミクススタトのP2aはプラセボ群18人、エミクススタト投与群54人ですが有意差が出ませんでした。
この有意差は人数が多ければ多いほど出やすくなります。
これだけの人数で有意差が出ないのは"もちろん"ではないはずです。

窪田良のブログから引用
"もちろん、この段階では統計的有意差はありませんし、3ヶ月の試験の結果にすぎませんから、断定的なことを申し上げることはできません。"


・副作用も出ていたが隠していた?
IMG_20180327_102555

窪田社長のブログにはこのような図が載せられていますが何かおかしくありませんか。
P2aではプラセボ18人、投与群54人なのにここにあるN(患者)をすべて足しても54人にしかなりません。あとの18人はどこにいったのか。
ここの図には出ていませんが実際には7mgで12人、10mgで6人の患者がいたのです。
しかし7mg、10mgでは副作用がひどく試験は90日間行われるはずだったのに平均25日間でスポンサー判断により中止となっています。
10mgでは6人中5人に眼の有害事象が発生しました。これらの有害事象はエミクススタトの服用をやめると治まったようです。
エミクススタトを服用した54人中50人が少なくとも1つの目の有害事象を経験したとあります。
一過性の両目視力喪失となった患者も1人いました。(目を治す薬で失明してたかも)

窪田良のブログから引用
"
もちろん、臨床試験は、期待する薬効だけではなく、副作用も明らかにしなければなりません。「エミクススタト」の臨床試験フェーズ2a における全身への副作用は見受けられませんでした。ただ、「エミクススタト」は、視細胞のうち、光への感度が高く薄暗いところで働く桿体細胞(かんたいさいぼう)を休ませる薬ですので、暗順応が遅くなるといった自覚症状は、一過性であり軽度であることが多いものの一部の患者さんに見受けられました。これは細胞の機能を制限することによる薬理作用を反映しているものだと考えられ、薬が効いている証拠だと考えられ、強い手応えを感じています。"

え?副作用明らかにしています?
全身の副作用は出ていませんがこれだけ目に副作用が出ていて薬が効いている証拠(有意差なし)とはさすがにどうかと……

SB623のP1/2aでは有害事象は18人の患者全てに発生し合計すると28件になりますがますが"関連あるかもしれない"とされたのは4件、"関連あり"とされた有害事象は発生しませんでした。
やはり手術を行うため頭痛などが多く発生したようです。
米国でTBIの治験を受けた方のブログという記事でも紹介させてもらった女性も手術後に痛み止めを服用しています。(当然と言えば当然?)

窪田社長のブログではFAF(眼底自発蛍光)という評価項目で進行が抑えられている旨の記述がありますがSD(標準偏差)から考えるとプラセボでも-0.2~0.6ということになり、とても薬の効果があるとは思えません。
-0.1となっている2mgでも-1.5~1.3です。
他の項目もどう見てもプラセボより優れているとは言えません。(私見です)
こんな有様でなぜP2b/3を行おうと思ったのかは不明ですがバイオベンチャーとして開発を続けざるを得なかったのかもしれませんね。
そういった事情があるないにせよ都合の悪いデータを切り取ったりするのは誠意があるとは思えないです。

・第三者からの評価、歴史が違う
エミクススタトはアキュセラが開発した化合物ですがSB623の元となっている間葉系幹細胞は40年以上の歴史があります。
そしてポジティブな内容でもで書いたように多数の研究が行われかなり肯定的な見方をされています。
サンバイオと同じく英国のリニューロンも慢性期の脳梗塞を対象とした治験を行っています。
P1で中絶胎児の脳が起源である神経幹細胞を使用した細胞薬による治療効果が報告されています。
一方、うろ覚えですがエミクススタトはP2aの結果からP2b/3はプライマリーエンドポイントの達成は難しいと言っていた方が結構いたと思います。
私はアキュセラを買ってはいませんでしたが時々、掲示板やネットで情報収集していて否定的な見方をしている人がいたのを覚えています。
(サンバイオの掲示板やツイッター等でよく見られる何の根拠もなく否定するのとは違う)


後から「アキュセラはこうだったから失敗して当然」というのは簡単です。だって結果がわかっているのですから。
しかし、これらのデータを見て
「私ならアキュセラに投資したか?」
さらに、
「アキュセラマンになっていたか?」
を考えるとどちらもNOであったと思います。

私はバイオ株を結構触っていますが医薬品業界に詳しいわけではなくむしろ全くの無知に近いです。
なのでなるべくバイアスのかからないように第三者から見ても客観的に判断できるような材料やネット上に転がっている専門家の意見をたくさん集めます。
論文もわからないなりに読んで関係するような本も買ってみたりと、とにかく情報を集めます。
株を買ってからも情報収集を続けてネガティブな意見があればそれについても納得のいくまで調べます。
後付けと思われるかもしれませんが、やはりアキュセラには手を出さなかったでしょう。


蛇足ですが、私はアキュセラが上がる前に投資先の選択肢の一つとして調べようとしたことがあります。
「まずはホムペからチェックするか」と思ってアキュセラのサイトを見ているうちになぜか全く買う気が起きなくなってしまい、結局ろくに調べることもせずアキュセラを選択肢から外しました。
この株には手を出すなと私のゴーストが囁いていたのかもしれません。


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